居酒屋で経営知識
(66):経営者の条件(19)自己啓発
【主な登場人物】 ジン(北野):主人公 サラリーマンの傍ら経営コンサルタントをしている 黒沢:居酒屋みやびの大将 酒と和食へのこだわりが強み 由美:居酒屋みやびの元看板娘 黒沢の姪 雄二(鳶野):ジンの幼なじみ ジンの応援で起業した 亜海:居酒屋みやびの新しいアルバイト 原島:ジンの高校の大先輩。大企業の関連企業社長
「それでは皆さん、今日の読書会の範囲は読んできていますね。とうとう、経営者の条件も最後の章になりました。終章『成果をあげる能力を修得せよ』になります。今日は、どなたから行きましょうか?」
「はい、私からです。最初の発言ですので、個人的にチェックした部分の前に、章の導入部を確認したいと思います。218ページですね。
→『本書は二つの前提に立っていた。
(1)エグゼクティブの仕事は成果をあげることである
(2)成果をあげる能力は修得できる』(P218)
この部分は、これまでの全体の確認として書かれていると思います。成果をあげることに集中し、その能力は天性のものではなく、自ら修得するものだと言うことですね」
「田中さん。前提のまとめをありがとうございます。皆さんも、これまでの内容をもう一度この二つの前提に立っていることを確認ください。それでは、中身に入りましょう」
「それでは、私の確認した部分です。
→『すなわち成果をあげることは個人の自己開発のために、組織の発展のために、そして現代社会の維持発展のために死活的に重要な意味をもつということである』(P219)
やはり、全体のまとめとして書かれていると思います。成果をあげることが、個人・組織・社会すべてに波及して、さらにそれぞれが同時に満たされることになると思います」
「これまでの内容のまとめとして書かれていると言うことですね。個人・組織・社会のすべてに波及して、また同時に満たされるとはどういう状況を言っているのでしょう」
「この場合、成果をあげるのは、一義的には個人ですよね。それをエグゼクティブと言っていますが、その個人は自分の強みを使って、更に、組織の目標に向かって行動します。それによって成果をあげるわけですから、組織の目標とは社会への貢献につながると考えれば、一つの矢印のように、つながって、同時に満たされると考えられるのではないでしょうか」
「なるほど。個人の成果が組織という媒体を通して、社会貢献につながるという言い方も出来そうですね。何か意見ある人はいませんか?ありがとうございます。次、お願いします」
「私は、その次から示されるステップを簡略化して概観してみました。
(1)自分の時間が何に使われているかを記録する
(2)自らの行動が目的に貢献しているかを問う
(3)強みを生かすとは実行・実践することであることを再確認
(4)最も重要なことに集中する
(5)合理的な行動としての意思決定を行う
(P219〜221)
他のドラッカーの整理されたものに較べ、この5つのまとめは、それぞれの説明になっていて全体を並べるのが難しいように感じました。ちょっと、こんな風に簡略化したんですが、間違いはないでしょうか」
「僕も、ここの整理は、ちょっとわかりづらいなあって思ってました。この概観整理はいいですね。助かります」
「そうですね。一部、前の章を再説明しているところがあったり、5つのステップというようなものにはなっていないかもしれませんね。その場合は、こんな風にまとめてみるといいですね」
「自分は、その後の説明に目がとまりました。
→『組織のニーズは、非凡な成果をあげることのできる普通の人によって満たされなければならない。』(P222)
→『組織は、優秀な人たちがいるから成果をあげるのではない』(P223)
ここでも、あくまでも、普通の人が非凡な成果をあげると言うことです。誰でも努力さえすれば実現可能だと言ってくれるのが非常にうれしいんです」
「それは、この本全体を通して何度も言われてますよね。そのために、個人も組織も成果をあげることに集中し、そのための習慣を身につけることで修得できるんですよね。これもそうですね」
→「一人ひとりのエグゼクティブと同じように、組織もまた成果をあげるべく体系的に仕事をし、成果をあげる習慣を自らのものにする必要がある」(P224)
「私は、自分の生活から大いに同意できるのはここですね。
→『なぜなら教育こそ、今日あらゆる投資のうち最も高価だからである」(P225)
子供の教育費の高いことを思い起こされますよ」
「そうだよね。子供にもとんでもなくかかるけど、社会人になっても、語学や中小企業診断士の資格取得には実際の費用と多大な時間がかかるから、全体で見るとものすごいよね」
「それは大いに賛成」
「自己啓発はやる気になればなるほど、時間と費用がかかるんだけど、その先に明確な目標があれば、費用対効果は高くなると思うけどね」
「この部分はどうだろう。
→『われわれは、組織の成果に対する社会の客観的なニーズと、個人の自己実現のニーズの双方を満たさなければならない。
ここにおいて、成果に向けたエグゼクティブの自己啓発こそが、手にしうる唯一の答えである」(P227)
「個人・組織・社会とつながる成果のためには、自己啓発という投資が必要と言うことなんだろうね」
「これで、皆さんの発表は一巡しましたか?そして、この本一冊が今終わりました。再度、全体を見直して見たいと思いますが、まずは、今回はこれで終了となります」
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「へい、いらっしゃい。ジンさん、毎度。由美っペも一緒だね。今日も勉強会でしたか?」
「そうなんです。今日は、一区切りが付いたので、原島さんも来ることになってます」
「そりゃ、ちょうど良かった。今日は、ウナギが結構入りましてね。締めには、蒲焼きでもいかがですか?」
「いいこと聞きました。雄二も呼んでやらないと恨まれそうですね」
終わったら連絡が欲しいと言われていた雄二にメールをする。
「はーい。皆さん。お疲れ様でした」
「亜海ちゃん、サンキュウ。じゃあ、由美ちゃん、まずは、お疲れ様」
「ありがとうございました。かんぱーい!おいしい!」
(続く)
《1Point》
「経営者の条件」ドラッカー名著集1 上田惇生訳 ダイヤモンド
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19回にわたった「経営者の条件」も最後まで到達しました。
いかがだったでしょうか。興味ある内容がありましたでしょうか。
読書会を行っているというシチュエーションでの内容にチャレンジしましたが、会話と抜粋が錯綜してわかりづらかったでしょうか。
私個人としては、毎週、マーカーを引きながら読み直す作業をしてきましたので、ドラッカーの再勉強という意味で有意義だと思っています。
さて、次回はどうしようかなと考えていますが、まだ、決めていません。
乞うご期待!
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