居酒屋で経営知識
73.マーケティングリサーチ
【主な登場人物】 ジン(北野):主人公 サラリーマンの傍ら経営コンサルタントをしている 黒沢:居酒屋みやびの大将 酒と和食へのこだわりが強み 由美:居酒屋みやびの元看板娘 黒沢の姪 雄二(鳶野):ジンの幼なじみ ジンの応援で起業した 大森:みやびの常連 地元商店街の役員 近藤:みやびの常連 建設会社顧問 亜海:居酒屋みやびの新しいアルバイト 原島:ジンの高校の大先輩。新社長としてジンにアドバイスを求めている。
「よし。じゃあ、次は俺の質問だな・・・」
雄二、由美ちゃんの3人で花見をしながらの勉強会が続いている。
「同じマーケティングの基礎部分なんだが、マーケティングリサーチをした後の情報を分析するというところがよくわからない。モデルとか解析とかかかれているとどうもとっつきにくいんだ」
「あら?起業家がマーケティングリサーチの質問?」
「俺は感性の経営者だ。数字に頼らない」
「まあ、雄二は思いが強かったから、分析してスタートしたというより、スタートしてから押さえて進ませたようなものだからな」
「あ、そうか。最初にビジネスプランを説明していた時、ジンさんからとにかく、小さく始めることだけ口酸っぱく言われていたわね」
「懐かしい話になりつつあるなあ。まあ、どちらにしてもリサーチとか分析はこれから利用していこうかと思っている」
「じゃあ、基礎の基礎。マーケティング情報には、1次情報と2次情報があることは覚えているか」
「おお。1次情報はマーケティングの目的に合わせて新規に集める情報で、2次情報はすでに整理され、公開されたり、有料開示されたりする情報だったよな」
「正解。それじゃあ、2次情報はいいとして、1次情報の収集方法としては主に3つの方法がある。(1)質問法、(2)観察法、(3)実験法などだ。一番多いのは質問法だけど、たとえば、面接調査、電話調査、郵送調査、留め置き調査、ファックス調査などの手法がある」
「ん?留め置き調査ってのはなんだ」
「要は、質問票を回答する人のうちに留め置いて、回答が終わったら郵送してもらうような方法だな」
「言葉通りか。まあ、要はどんな方法でアンケートを取るかってところか」
「そうだ。そして、雄二の苦手というデータの解析だな。統計の法を使うんだけど、基礎的統計解析法と多変量解析法を覚えておけばいいだろう」
「???だから・・・」
「まあ、実際にはやってみるといいけど、基礎的統計解析法を使うのはデータ項目が少ないときに有効だ。度数分布、平均値、分散、標準偏差とか、クロス集計などが使われる」
「本当に統計そのものね。要は、数値化して解析するのね。標準偏差は過去問にも出ているわね」
「分散と標準偏差は2次試験でも出題頻度高いからやっておいた方がいいだろうね。そして、変量が多い場合の解析法が多量解析。ただ、こちらは手計算できるものではないので言葉を覚えてけばいいだろう。実際には調査会社に委託したり、専門のビジネスソフトで行うことが多いようだね。覚えておくのは二つのモデルとその分析だ。
(1)予測モデルというのがデータ間の関係を見つけて予測を行うもので、重回帰分析や分散分析などがある。
(2)記述モデルが複数の項目の背後にあるものの構造を明らかにする主成分分析、因子分析、クラスター分析などがある。」
「うーむ。言葉に負けそうだな」
「まずは、その用語を押さえておくことが1次試験では必要だ。2次試験用には分散と標準偏差の計算の練習が必要というところかな」
「ジン・・・そろそろ脳が分散してきたからビールくらい飲まないか」
「仕方がないなあ。ビールだけだぞ」
花見での勉強会はやはり無理があったか。
(続く)
《1Point》
・マーケティング・リサーチ
まずは、用語を整理しておくことと、分散や標準偏差の計算をしておく必要があります。
用語については、別途整理するつもりでいますが、期待しないで待っていてください。
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